【専門家に聞いた】良いドッグフードはどうやって見極める?

すべてのドッグフードは同じ品質であるだろう、と平和ボケしている人も多いかもしれませんが、実際、ドッグフードを購入しようとすると、飼い主はさまざまな選択肢がありすぎて逆に戸惑ってしまうでしょう。無数にある商品の中から、健康的かつお手頃な価格で、ペットのためになるドッグフードを選ぶのは大変なことです。そこで、専門家のアドバイスを参考にしながら、ドッグフード選びに役立つコツを見てみましょう。

良いドッグフードの特徴は?

ほとんどの飼い主は、ペットにドライキブルやすでにパッケージされたウェットフードを与えているかと思います。これらの加工食品は、私たち人間にとっては美味しそうにみえませんが、犬の健康にとって必要なビタミンがすべて含まれているのです。市販の高品質なドッグフードは、獣医による徹底した調査が行われ、厳しく栄養管理されています。では、それぞれのドッグフードには、一体どんな成分が含まれているのでしょうか?

犬は猫とは異なり、厳格な食習慣を持ちません。お肉が主食とはいえ、穀物や果物、野菜などを食べることは、家庭で飼育されている犬にとって有益なことなのです。こうしたお肉以外の栄養素は、満足感をもたらすだけでなく、ビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に含んでいる可能性も高いです。お肉、野菜、穀物、果物はすべて、質のいい犬の食事に欠かせない要素です。ですので、上質なドッグフードには、これらの原材料が消化しやすい形で含まれています。

どの栄養がどれだけ必要か?

優れたドッグフードは、大切な愛犬の栄養ニーズを満たすものでなければなりません。市販のドッグフードのほとんどは、少なくとも犬の基本的な栄養ニーズをカバーするように作られていますが、すべての犬が同じ栄養ニーズを持っているわけではありません。

犬は一生涯を通じて、さまざまな栄養素をさまざまな量だけ必要とします。子犬と成犬では、健康に必要な栄養素とその量が異なるため、幼犬を飼っている場合は、子犬用ミルクや”オールライフステージ”のドッグフードを与えるのが好ましいでしょう。また、大型犬や高齢犬は、小型犬や子犬とは異なる食事が必要ですので、それぞれの成長段階に合った食事を心がけましょう。子犬と成犬の食事の違いがよく分からないという方は、著書”Merck Veterinary Manual”を一度読んでみてください。この本には、犬に必要な栄養素と、体重や年齢に応じた推奨量が掲載されているので、とても参考になります。

原材料名は見るべきか?

ドッグフードの成分表ラベルに記載されている原材料は、その品質や産地を反映していませんし、より公平な配分を実現するために原材料を分割して記載しているメーカーもあります。たとえば、フレーク状コーン、粉砕コーン、キブルコーンなど、異なる種類のコーンが個別に記載されている場合があります。

製品に相当量のトウモロコシが含まれているにもかかわらず、こうすることで成分表に記載されるトウモロコシの量を最小限に抑えているのです。

トウモロコシに加えて、肉類もまたややこしい成分です。たとえば、ホールミートは、水分を多く含むため、加工後の肉全体の割合は見た目よりも低くなってしまいます。一方、ミートミールは、その見た目は劣ってしまいますが、計算を狂わせる水分の重さがないので、ホールミートよりも多くの肉が含まれていると記載されます。原材料が書かれている成分表は、その品質を示すものではありませんが、製造工程でどんなものが含まれているかを知れる大切な目安となります。